●クリーンルームの塵はどこから?
 |
 |
|
縫い目の穴から塵が発生 |
目に見えないほど微細なゴミや塵が、当時集積度アップ競争が過熱していたLSIなどの半導体に致命的な 不良を引き起こしていた。
徹底してゴミや塵が排除されたはずのクリーンルーム内、作業スタッフは 入室前に無塵衣を着用し、エアシャワーで衣服の塵を落とす。
ところが、完璧にみえた塵対策だったが、それでもゴミ・ 塵による不良は減少しなかった。
その原因は、半導体に一番近い部位にあったのだ。
・・・手からの塵を防ぐはずの作業用手袋。
この手袋の縫製部分からエアー漏れなどで不良の原因となる ゴミ・塵が発生していた。
●無縫製製品で大量生産
クリーンルーム用の作業衣生産業者はそのノウハウを結集し、対策に取組む。
糸ミシンを使わずに手袋を縫いあわす方法を検討し試作した。
しかし、接着剤を使用しても、強度不足やピンホールが発生。
熱溶着による接着でもやはり同じ問題がおこった。さらに大量生産ができない。
一日に何度も新しい手袋を着けなおさなければならない作業の特性上、大量生産は必至なのだ。
他に接合する方法は無いのか?
そんな時、当社に高周波溶着の技術があることを知り、相談があった。
●テスト、テスト、テストの繰り返し
ポリエステル生地とウレタンフィルムのラミネーター製品を高周波を利用して溶着することは可能だった。
問題は高周波溶着の強度、ピンホールなどの品質のバラツキをなくす。
さらに高周波溶着と高周波切断の一体化生産を実現する、というテーマに全力で取組んだ。
それからは先方様からいただいた生地でテストの繰り返し。加圧力は…? 高周波電流は…? 溶着時間は…?
溶着後の冷却時間は…? いろんな条件での強度分析と各ファクターの組み合わせによる溶着条件を分析した。
また、切断条件と切断部分による塵の発生具合も解析。
試作品の手袋に水やエアーを入れてピンホールがあるかないかも確認をする。
テスト結果と試作品を持って四国の生産業者に 何度も足を運んではやり直す。。。
そんなやりとりが3ヵ月におよんだが、その結果、テーマは見事クリアすることができた。
しかもロータリー方式による生産の合理化という量産化を実現。
●一日に4000双の手袋
1工程2人分を14秒で生産することができるこの装置は一日に4000双の手袋を生み出し、
クリーンルームで大活躍している。ホコリや塵は出ないが、汗などの湿気は逃がす。
半導体の進歩には欠かせない手袋となった。現在、全国で7社がこの装置を導入。
|