電波加熱技術を一筋に追い求めてきた70年

山本ビニターは高周波やマイクロ波などによる、電波を使ってモノを温める技術、電波加熱技術を応用して、
木材加工機、食品加工機、プラスチック加工機、加熱乾燥機、さらには医療機器まで幅広い分野で事業を展開しています。
その足取りを振り返ると、山本ビニターの歴史はそのまま、日本における電波加熱の歴史であることが見えてきます。

1953-1968

創業期

太平洋戦争後の復興が進み始めた1953(昭和28)年3月、創業者・山本晴敏は「山本ビニール株式会社」を設立。ビニール生地の販売および加工製品の製造・販売を開始しました。

当時、日本市場に登場したばかりのビニールは将来性の高い新素材として注目されており、事業は順調に拡大していきました。原反の卸売にとどまらず、自社ブランドの加工製品の製造へと展開したことが、後の技術志向型経営の基盤となりました。

その中で、ビニール生地の溶着に用いられていた当時の先端技術であった「高周波ウェルダー」に着目。高周波による加熱溶着は、強度や美観に優れ、工程の省力化を実現する画期的な技術であり、山本ビニターが高周波・マイクロ波加熱装置メーカーとして歩み出す原点となりました。

1953年
  • 山本晴敏が大阪市南区に山本ビニール株式会社を設立。塩化ビニール生地の販売および製品の製造を始める。
1954年
  • 事業拡張と発展のため同地に工場を建設。高周波ウェルダーの研究開発に本格的に取り組む。
1955年
  • PVCシートの加工品が大ヒットする。
1957年
  • 大阪市南区に第一次山本ビルを建築。本社並びに営業所を移転。
1960年
  • 高周波ウェルダーの拡販に成功。
1961年
  • 東京都台東区に東京営業所を開設。
1962年
  • 大阪市天王寺区に第二次山本ビルを建築し、本社並びに工場を移転。
1963年
  • テント・シート業界向け高周波ウェルダーがヒット商品となる。
1964年
  • 名古屋市西区に名古屋営業所を開設。
1967年
  • 八尾市に八尾工場を建設し、高周波・マイクロ波加熱装置の製造部門を移転。

創立当時の山本ビニール株式会社の
高周波サービスセンター

山本高周波研究所にて、山本晴敏社長と山本五郎専務

1955年ごろのオリジナル商品

電波障害のない高周波ウェルダーの実演

第2次山本ビルの竣工

新設した当時の八尾工場

1969-1990

発展期

創業期に着手した高周波技術の研究・開発は着実に成果を上げ、高周波機器事業はビニール製品事業と並ぶ中核事業へと成長していきました。高周波機械ブランド「ビニター」の優位性が業界で広く認知されるようになったことから、1969(昭和44)年には社名を「山本ビニター株式会社」へ改称しました。

ビニール加工に始まった高周波技術は、木材用高周波加工装置として集成材の接着加工にも応用され、新たな産業分野の開拓につながりました。さらに、1977(昭和52)年には京都大学との「がん治療の温熱療法装置」の共同開発がスタート。開発には多大な労力と開発費を投入しましたが、1984(昭和59)年、医療機器として正式承認され、本格的に医療機器分野に参入することになりました。

1969年
  • 八尾工場を拡張。大展示会開催。
  • 山本ビニター株式会社に社名変更。
1971年
  • 天王寺税務署長より、優良法人として初めて表敬を受ける。
1972年
  • 高周波・マイクロ波加熱を応用し木材加工業界に進出。
1973年
  • 高周波製造部門の拡大に伴い、八尾工場を大幅に拡張。
1977年
  • 京都大学とハイパーサーミア(がん温熱療法)装置の共同研究に着手。
  • 第三次山本ビルを旧社屋西隣に建設。
1978年
  • 山本晴敏が紺綬褒章を授与される。
1979年
  • 山本晴敏が産業功労賞を受賞。
  • 八尾工場増築、記念展示会を開催。
1982年
  • 新技術開発事業団(科学技術庁外郭団体)より
    ハイパーサーミア装置の開発委託企業に選定される。
  • 時価発行増資により資本金8500万円・資本準備金3億5100万円となる。
1984年
  • 山本晴敏が、長年業界の指導発展に寄与したことに対し、藍綬褒章を授与される。
  • 厚生省より「がん治療装置」“サーモトロン-RF8”の製造承認を受ける。
1985年
  • 科学技術庁において、ハイパーサーミア装置“サーモトロン-RF8”の公開発表を行い、内外のニュースネットを通じ大々的に報道され、大反響を呼ぶ。
1987年
  • 八尾工場にて’87新機種発表綜合大展示会を開催。
1988年
  • 高周波・マイクロ波加熱装置の開発育成により、山本五郎が科学技術庁長官賞を受賞。
1989年
  • 全国の中小企業の中から技術開発、経営合理化その他経済的、社会的に最も優れた成果を挙げた企業として中小企業研究センター賞を受賞。
1990年
  • ハイパーサーミア(がん温熱治療法)が健康保険の適用となり“サーモトロン-RF8”が新しいがん治療法として更に確立。
  • 八尾工場に新工場竣工。
  • 東京新社屋竣工。

1969年の展示会風景と新機種発表会のご案内

初めて開発された木材加工用高周波プレス

第3次山本ビル

がん治療装置の研究開発に取り組む
山本五郎専務

開発された「RF ハイパーサーミア装置1号機」

科学技術庁長官賞を受賞する山本五郎専務

1991-2015

拡充期

高周波メーカーとしての基盤を確立した山本ビニターは、高周波・マイクロ波加熱技術のさらなる高度化と応用領域の拡大に取り組みました。1992年(平成4年)にはコーポレートマークを「VINITA」に一新し、末尾の「A」を前進を表す「Λ」とすることで、「常に一歩前進」の精神を込めました。高周波を核とした加熱技術で社会に貢献する、開発主導型企業への姿勢を明確にしました。

1997(平成9)年、山本泰司が代表取締役社長に就任し、経営体制を刷新。技術開発・商品開発を軸に、新分野・新事業の開拓を推進しました。高周波蒸気複合乾燥装置「ディーウェル」や食品解凍装置「テンパトロン」などを開発し、高周波・マイクロ波加熱技術の用途拡張と新市場の創出を進めました。

また、大出力発振器の開発に着手し、世界最大出力300kWを独自開発に成功。プラスチックや木材・食品分野における装置の大型化や実績のない新素材への対応を重ねる中で、顧客ごとの加熱課題に向き合う開発力が磨かれ、後のソリューションビジネスへとつながる技術基盤が築かれていきました。

1991年
  • 名古屋新社屋竣工。
1992年
  • 第4回きらりと光る中堅企業として“パイオニア・オブ・ザ・イヤー”に顕彰される。
  • 創立40周年目を迎え、更なる飛躍を期してコーポレートマークを一新し、VINITAとする。
  • 中期経営計画および新しい経営理念体系を制定。
1995年
  • 山本五郎が多年の高周波技術の開発と育成により黄綬褒章を授与される。
1996年
  • 山本晴敏が業界の指導発展に寄与したことにより、勲五等双光旭日章を授与される。
1997年
  • 代表取締役会長に山本晴敏、代表取締役社長に山本泰司が就任。
  • (社)日本木材加工技術協会より木材加工技術賞を受賞。
1998年
  • 創立45周年記念総合展示会を八尾工場で開催。
2000年
  • 八尾工場で「2000年VINITAテクノフェア」開催。
  • (財)日本住宅木材加工技術センターより開発委託された「高周波・蒸気複合乾燥機」の実用化に成功。
2003年
  • (社)日本木材加工技術協会より木材加工技術賞を受賞。
  • (社)日本林業技術協会より林業技術賞を受賞。
2004年
  • (財)日本住宅・木材加工技術センターより第1回木材利用技術賞(林野庁長官賞)を受賞。
  • 代表取締役副社長に椋木逸生が就任。
  • 山本泰司が大阪府知事より発明実施功労者表彰を受賞。
2007年
  • 経済産業省近畿経済産業局が主催する「飛躍するKANSAIモノ作り元気企業」に選ばれる。
2009年
  • 大阪商工労働部より「大阪ものづくり優良企業賞」を受賞。
2010年
  • NHKテレビの人気ビジネス番組「ルソンの壺」が放映され、全国に広く紹介される。
2013年
  • 山本晴敏が「国税庁長官賞」を受賞。
2015年
  • 創業者 故山本晴敏が「叙位 従六位」を授与される。
  • 八尾工場の隣地を取得し、倉庫・展示場を拡張。

従来のロゴから新たなロゴに

中期経営計画書に明記された
新経営理念体系

パイオニア・オブ・ザ・イヤー授賞式での
山本晴敏社長

前田直登林野庁長官(当時)より
表彰を受ける山本泰司社長

大型の連続乾燥装置の開発に成功

世界最大出力300kWの
高周波発振器

2016-2025

革新期

長年にわたり培ってきた高周波・マイクロ波加熱技術を礎に、山本ビニターは「装置をつくるメーカー」から、「高周波・マイクロ波加熱によって課題を解決するソリューションカンパニー」へと進化を遂げました。

次なる発展に向け、試験設備を拡充してテストラボの設立を進めるとともに、電磁界シミュレーションなどの解析技術を取り入れ、開発体制を強化しました。これらの取り組みを基盤に、カーボンニュートラルをはじめとする社会課題を背景としたプロダクトアウト型の開発に商品開発センターが主体となって着手し、2022年にはフラッグシップモデル「Vシリーズ」を発売しました。

今後は、新たな市場の開拓やグローバルな展開にも挑み、高周波・マイクロ波加熱による価値創出を通じて産業の未来を支え続けていきます。

2018年
  • 優良申告法人として10度目の表敬を受ける。
2019年
  • 椋木逸生が大阪府知事より発明実施功労者表彰を受賞。
  • サーモトロン-RF8 GR Editionを発売。
2020年
  • 経済産業大臣認定「地域未来牽引企業」に選ばれる。
2021年
  • 巽昭二が大阪府知事より発明功績者表彰を受賞。
  • 経済産業大臣認定「はばたく中小企業・小規模事業社300社」に選ばれる。
2022年
  • 天王寺税務署より優良申告申告法人として11度目の表敬を受ける。
2023年
  • 「健康経営優良法人2023」に認定される。
  • 東京営業所を支店へ昇格。新社屋へ移転。
  • 創立70周年としてスローガン、ビジョン、ミッションの制定。
2024年
  • 「健康経営優良法人2024」に認定される。
  • 経済産業省「大規模成長投資補助金」に採択され、工場全面リニューアル始動。
2025年
  • 「健康経営優良法人2025」に認定される。
  • 経済産業省近畿経済産業局より「関西ものづくり新撰2025」最優秀賞を受賞。
  • 大阪・関西万博 「TEAM EXPOパビリオン」に参加。

試験設備と測定機器を備えた
テストラボ

装置の小型化を実現した
サーモトロン-RF8 GR Edition

商品開発センターが主体となって開発した
フラッグシップモデル「Vシリーズ」

2023年東京営業所を支店へ昇格。
新社屋へ移転

経済産業省近畿経済産業局「関西ものづくり新撰2025」
最優秀賞を受賞

大阪・関西万博「TEAM EXPOパビリオン」に参加