高周波誘電加熱の原理
2.交流回路上での電圧と電流の関係

コンデンサに交流電圧をかけるとどうなるかを説明する前に、コンデンサのない回路に交流電圧をかけるとどうなるかを見てみましょう。(図3-2-1)はコンデンサのない回路に交流電圧をかけたときの電圧と電流の波形です。図の説明のとおり、交流電圧の増減はそのまま交流電流の大きさに反映しますので、交流電流の波形は電圧の波形とぴったりと周期が重なります。

図3-2-1/抵抗のみの回路と、交流電圧をかけたときの電圧と電流の波形

交流電圧【点線】は、スタート時点0から時間の経過とともに(右に向かって)徐々に上がっていき、最大電圧に達した瞬間から下がり始め、いったん電圧は0に戻ります(a点)。そののち、電圧の向きは逆になって徐々にマイナス方向に大きくなり、マイナスの最大値になった瞬間からマイナスは小さくなり始め、再び電圧0の時点に戻ります(b点)。交流電圧の波形はこれを1サイクルとして繰り返します。
コンデンサのない回路では、交流電圧の増減はそのまま交流電流【黒い線】の大きさに反映しますので、交流電流の波形は電圧の波形とぴったりとサイクルが重なります。