電波加熱とは?

家庭の電子レンジでも使われている電波加熱。
どんな仕組みで動き、なぜ選ばれているのかをわかりやすくご紹介します。

#01電波加熱とは

物質自体を自己発熱させて
内側から加熱する方式

従来の加熱方法には、熱風や炎、スチーム、電熱線などによる「外部加熱」があります。これは、外部に熱源があり、物体の外側から熱を当てて、徐々に内部へと熱を伝える方式です。

それに対して「電波加熱」は、物質の内部に電波を作用させて、物質自体を自己発熱させる「内部加熱」のしくみです。

外部加熱が“外から中へ”と熱を伝えるのに対し、電波加熱は“内から全体へ”と加熱できるのが特長。エネルギー効率が高く、短時間で均一かつ効果的な加熱が可能です。

電波加熱の仕組み

電波加熱は、電磁波の電界成分を物質(誘電体)に作用させることで熱を発生させます。

電波加熱とは、絶縁性のある素材(誘電体という金属以外の物質)に電波を当て、分子を振動させることで直接発熱させる技術です。

誘電加熱と誘導加熱

電磁界を利用した加熱方式には、大きく分けて誘電加熱と誘導加熱の2つの種類が存在します。
誘電加熱と誘導加熱は、よく混同されがちですが、まったく異なる仕組みを持つ加熱技術であり、加熱できる素材や用途が異なります。
山本ビニターがコア技術として展開している誘電加熱は、食品、プラスチック、木材など、金属以外のさまざまな素材を加熱できます。
一方、「誘導加熱」は鉄やステンレスなどの金属を加熱する技術です。

#02電波加熱が選ばれる理由

特徴1
加熱時間が短い

外部加熱では、熱が内側に届くまで時間を要します。一方、電波加熱は素材の内部が直接発熱するため、熱が伝わるのを待たずに短時間で全体を加熱できます。

特徴2
熱効率が高い

高周波・マイクロ波はほとんど被加熱物にだけ吸収され、雰囲気などの温度を直接上昇させないので、熱効率のよい加熱ができます。

特徴3
均一に加熱できる

内側と外側の温度差が大きくなる外部加熱に比べて、電波加熱は電波が被加熱物に浸透し、内部全体が同時に発熱するため、均一な加熱ができます。

特徴4
選択加熱ができる

物質が高周波・マイクロ波を吸収して発熱する割合の違いを利用すれば、選択加熱が可能です。
例えば、木材接着では接着剤だけを加熱し、効率よく乾燥・硬化できます。

特徴5
加熱制御がしやすい

加熱の開始・停止や温度調整は、電気制御によって正確かつ速やかに行えるため、品質の安定化に貢献します。

特徴6
幅広い素材に対応

樹脂・木材・食品など、金属以外の絶縁素材に使用できるため、さまざまな加熱素材への用途が広がります。

#03他の加熱方式と何が違う?

電波加熱は、物質の内部から効率よく加熱でき、温度制御や選択加熱が得意です。短時間で均一に温め、省エネやクリーンな環境にも対応します。

#04暮らしの中の電波加熱技術

私たちの暮らしを支えるさまざまな製品に電波加熱技術が使われています。
実際に見てみましょう。

※製品の写真はイメージです(がん治療器を除く)

家庭

身近な日用品に、均一で美しい仕上がりを生む電波加熱技術が使われています。内側からむらなく加熱できるため、丈夫で長持ちする製品づくりに役立っています。

  • 溶着

テンチャック
スライドチャック

  • 接着

家具
テーブル・椅子

  • 溶着

レインコート

  • 解凍

冷凍食品

  • 乾燥
  • 解凍

ペットフード

住宅・建材

木材や建材の接着・乾燥に電波加熱が活躍。
素材内部まで均一に加熱できるため、強度の高い住宅建材を効率よく製造できます。

  • 接着

フラッシュドア

  • 接着

住宅の壁材(出隅)

  • 乾燥

  • 接着

床・壁材

  • 接着

集成材(CLT)

オフィス

文具や事務用品の溶着・成形に電波加熱を使用。
熱を必要な部分だけに均一に加えられるため、変形が少なく、美しい仕上がりが得られます。

  • 溶着

箔押し手帳・
手帳ポケット

  • 溶着

名札
首紐付き名刺入れ

  • 溶着

ペンケース

  • 溶着

ロールスクリーン

  • 接着

会議テーブル

学校

教材や備品の接着・成形に電波加熱が使われています。素早く均一に固められるため、丈夫で扱いやすい学用品が生まれています。

  • 溶着

ランドセル

  • 接着

ピアノ・ギターの
成型部品

  • 型押し

辞典

  • 型押し

バスケットボール

病院

医療現場でも電波加熱が活躍。
がん治療や衛生用品の溶着など、清潔性と安全性の高い製品づくりを支えています。

  • 溶着

血液バッグ

  • 治療

がん治療器

  • 溶着

血圧ベルト

  • 溶着

患者識別バンド

レストラン・食品

食品の加熱・成形にも電波加熱が利用されています。内部まで素早く均一に熱が入るため、おいしく、効率的に製造ができます。

  • 解凍

ハンバーガーのパティ

  • 解凍

冷凍食品
肉・魚

  • 解凍

バームクーヘン

  • 殺菌

コンビニチルド

  • 接着

そうめん箱・弁当箱
(木箱)

車内パーツの溶着・成形に電波加熱が活躍。
複雑な形状でも均一に熱を伝えられるため、耐久性の高い部材製造が可能になります。

  • 溶着

カーマット

  • 接着

ハンドル

  • 溶着

シート

  • 溶着

トラックの幌

  • 溶着

車のサンバイザー

  • 乾燥

排気ガスフィルター

工場

工場で原料や製品の保管に使用されるコンテナバッグの製造に電波加熱を使用。均一性のある溶着により、高い耐荷重性と防塵性を備えた、安全な輸送容器を実現します。

  • 溶着

コンテナバッグ

  • 溶着

ベルトコンベア

  • 溶着

間仕切り

  • 溶着

空調服

レジャー

浮き輪やビーチボールなどの空気を入れるレジャー用品は、熱で接着する工程により、すき間なく密着し、丈夫で長持ちする仕上がりが実現されています。

  • 溶着

浮き輪

  • 溶着

フロートマット

  • 溶着

エアマット

  • 溶着

ライフジャケット

イベント・施設

大規模建造物の膜材やテントの接合に電波加熱を使用。広い面積でも均一に溶着できるため、安全性と耐候性の高い構造を実現します。

  • 接着

木材巨大建造物

  • 溶着

テント倉庫

  • 接着

ドーム球場の屋根

  • 溶着

テント